H28年度版 個別指導指摘事項「電子カルテ関連」

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H28年度版 個別指導指摘事項「電子カルテ関連」

電子カルテシステムについて、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.3版」に準拠していない次の不適切な事項が認められたので改めること。電子カルテの3原則(真正性、見読性、保存性)を確保できるような電子カルテシステムを早急に構築し、運用管理規程を見直すこと。
①追記は不可能と答えていたが、実際は確定後も入力内容の変更が可能であった。
②バックアップデータが、保険医療機関内になくベンダーのデータセンターにあるため、停電時に保険医療機関外のデータセンターとのデータのやり取りができるかが不明である。
③アクセス権限表に代行入力の詳細が含まれていない。
④システム管理者として、保険医療機関の勤務者でない者が指名されていた。

・電子カルテシステムを使用しているが、診察日から半年近くたった指導日前に診察内容をさもその診察日に記載したかのように追記している例が認められた。このような不適切な行為は診療録の改竃とみなされかねない。保険診療を行う保険医、保険医療機関として、あるまじき行為であり、非常に遺憾である。今後厳に慎むこと。

・利用者IDが”d1″、”d2″、”k2″、”j2″等となっており、職名を使用していた。このままでも不都合はないが、職員が退職した場合はそのIDは永久欠番とすること。パスワードの更新期限を適切に設定していない。パスワードの更新期限は最長でも2ヶ月以内に設定すること。

・利用者IDが個人の氏名の一部ではなく、dr、ns、pt、uketuke等の職名に連番数字を組み合わせたものを用いていた。これでは職名IDに近く、退職者のIDを使いまわすという危惧が存在する。このような状態を避けるために、今後は退職者のIDは永久欠番とすること。

・スクリーンセーバー後の再認証時のパスワード入力がない。入力再開時にはリターンキーではなく、利用者IDとパスワード入力が必要なシステムにすること。

・代行入力を行うことができる範囲(入力可能な事項)や代行入力を行うことができる職員を限定するなど、運用管理規程上にその範囲等を明記し、院長の許可の下代行入力を行い、確定操作は院長が行うようにするなど、アクセス権限の付与を含め全体の運用について見直しを検討すること。

・アクセス権限一覧表は、単に「フルアクセス」、「限定アクセス」等となっており、利用権限の内容が不明確である。氏名、業務ごとに、情報の種別、重要性、利用形態に応じた、参照、更新、実行、追加、確定等のように、きめ細かく権限を設定し、早急に運用管理規程等を改めること。

・貴院の採用する電子カルテシステムは、アクセスログを1カ月しか保存できない。また、当該アクセスログでは、誰が当該システムを使用したかが特定できない例が認められた。(例:「処理者」欄の半数が空欄であった例。”ウケツケ”や”pt”となっていた例。)早急に全処理者の個人名又はIDが記録されるアクセスログを5年間以上保存できるシステムに改めること。(患者の診療が続いている間は保存できること。)それまでは、システム操作業務日誌を整備し、システムを操作する者はシステム操作業務日誌に操作者氏名、作業開始時刻、作業終了時刻、作業対象・作業内容(患者氏名毎の受付・診察・医学管理・投薬・リハビリテーション・処置・手術・会計等の別等)を記載すること。

・利用者名が個人名のものもあるが、”受付”、”看護師”等もあり、個人名と職名が混在していた。職員の退職等に備えて直ちに個人名ごとに異なるIDを管理者(貴院の場合は院長)が付与すること。なお、退職者のIDは再使用しないことを運用管理規程に明記すること。

・アクセス権限一覧表には、追加・変更等の記載があるが、システム管理者は内容を把握しておらず、利用権限の内容が不明確であった。再度アクセス権限の確認を行い、利用形態に応じた内容、設定とするなど実際の運用に即したアクセス権限表に改めること。

・代行入力を行うことができる範囲(入力可能な事項)や代行入力を行うことができる職員を限定するなど、運用管理規程上にその範囲等を明記し、院長の許可の下代行入力を行い、確定操作は院長が行うようにするなど、アクセス権限の付与を含め全体の運用について見直しを検討すること。

・パスワードの文字数が5文字であった。直ちにパスワードは英数字、記号を混在させた8文字以上の文字列とすること。

・パスワードの更新期限を適切に設定していない。パスワードの更新期限は最長でも2ヶ月以内に設定すること。なお、パスワードは英数字、記号を混在させた8文字以上の文字列が望ましいので留意すること。エスクリーンセーバーの設定がなされていない。直ちにスクリーンセーバーを設定すること。また、入力再開時にはリターンキーではなく、利用者IDとパスワード入力が必要なシステムにすること。

・同じ法人内とはいえ、貴院とは別の保険医療機関の職員が、当該別の保険医療機関に設置された端末から貴院の電子カルテシステムに直接アクセスでき、自院の電子カルテシステムと同様に、互いに操作できる状態にあるが、このような状態では貴院の電子カルテシステムが当該別の保険医療機関と明確に区分されていないと言わざるを得ない。このことは、開設者の「どちらの保険医療機関としての行為かわからなくなる」という発言からも明白である。同じ法人内であったとしても、違う保険医療機関であるという認識を持ち、患者の個人情報保護の観点からも、違う保険医療機関からは参照にとどめる等改めること。このため、上記ガイドラインの「付録(参考)外部機関と診療情報等を連携する場合に取り決めるべき内容」、「個人情報の保護iに関する法律」及び「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」等に準拠したシステムとなるように早急にシステムを改め、関連する規程を定めること。

・診療情報の持ち出しが禁止されているにもかかわらず、外部からクライアントではないタブレットで診療情報にアクセスしているとのことであり、電子カルテシステムの運用状況が、運用管理規程と一致していなかった。電子カルテの3原則に立ち戻り、システムを見直すこと。なお、不足する部分については、運用管理規程を定め、それを遵守すること。

・利用者IDが「1」、「2」、「3」等と連番の数字のみとなっていた。このままでも実際の運用としては特に問題はないが、不正アクセスを防止する観点からは、数字と利用者の姓等の組み合わせのような複雑なものが望ましく、また、職員の退職等があった場合はその数字は永久欠番とし再使用しないことを、運用管理規程の中に明記すること。

・ 利用者の日々の入力・変更・更新履歴等(アクセスログ)の収集・抽出を貴院で行えない状態であった。アクセスログの抽出等を貴院で行えない場合は、システム操作業務日誌を備え、システムを操作するものはシステム操作業務日誌を記載すること。また、システム管理者は定期的にシステム操作業務日誌をチェックし、記載内容の正当性を確認すること。

・保険医登録前医師や研修医のアクセス権限において、その医師の立場では実施が許可できない内容についても、アクセス権限が設定されていた。それ以外の職種も含めて、再度職種別の権限を見直し、正しくアクセス権限を設定すること。

・保険医登録前の研修医は、保険医ではない。保険診療において、保険医の立場で関わることはできない。この段階の研修医が手術記録記載、診療情報提供書の記載ができるアクセス権限となっており、不適切である。早急に改めること。

・アクセス権限表において、医師の権限を持つ医師保守者というカテゴリーがあるが、そのカテゴリー該当者の個人名を情報システム管理部門では把握できていないとのことであった。このようなアクセス権限管理は不適切である。早急にカテゴリーやその該当者の実態を確認し、適切な状態に改めること。

・医師事務作業補助者の代行入力がアクセス権限上設定されていないので、正しくアクセス権限を設定すること。

・事前提出のアクセス権限一覧表に事実と異なる内容が多く含まれていた。病院として事前提出する書類であり、その重要性を認識した上で、適切な書類を提出すること。

・利用者IDについて、現在は個人毎に異なっていたが簡単な文字列であったため、今後別の新しい職員が再使用する可能性が存在するが、利用者IDの再使用についての規定はなかった。そのため、退職者のIDは再使用しないことを運用管理規程に明記すること。

・パスワードの文字数が8文字であるとの説明であったが、持参された資料では6文字であった。パスワードは英数字、記号を混在させた8文字以上の文字列とすることを運用管理規程に明記すること。

・監査責任者が受付事務担当者となっており、しかもアクセスログの点検も実施されないまま監査を終了していた。監査は、不正アクセスやカルテの改ざんが行われなかったことを証明できるアクセスログを基に、公平かつ客観的な評価が行える利害関係のないメンバーが行うものである。これではいくら監査報告書に「真正性は担保されていた」と監査者が記入していたとしても、根拠のない空文に過ぎない。アクセスログは適切に保存を行い、そのアクセスログを基に定期的(最低でも年1回以上)に監査を行うなど、効果的な監査体制の構築を行うこと。監査責任者として内部の人員で利害関係のないメンバーが選任できない場合は、外部から選任すること。

・請求作業への接続が、実施確定操作ではなくオーダー時点で一旦算定し、実施できない時に事後に削除する運用となっていた。今後もこの方針を続けるのであれば、診療報酬明細書(以下「レセプト」という。)提出毎に管理者が毎回厳密なチェックを行うこと。このような煩わしさを避けるためには、実施確定操作による算定が行えるよう、電子カルテシステムを変更することが望ましいので留意すること。

・監査責任者が税理士事務所の税理士で利害関係のない第三者を指定していたが、アクセスログの点検もなされないまま監査を終了していた。監査は不正アクセスやカルテの改ざんが行われなかったことを証明できるアクセスログを基に、公平かつ客観的な評価を行うものである。利害関係のない外部の者であっても電子カルテシステムについてのチェックリストもなく、アクセスログの点検も行われていない現状では、いくら監査報告書に「真正性は担保されていた」と監査者が1行記入していたとしても、根拠のない空文に過ぎない。アクセスログは適切に保存を行い、そのログを基に定期的(最低でも年1回以上)に監査を行うなど、効果的な監査体制の構築を行うこと。

・記録の確定期限がなく、随時書き直せるシステムとなっており、診療報酬請求後の日付や診察日から半年近くたった日付で追記がされている例が認められた。診療録は、その都度遅滞なく記載することとなっているため、このような不適切な取り扱いは改竃を疑われかねないので、以後厳に慎むこと。なお、このような不適切な取り扱いで、算定要件の内容を追記したものについては算定できない。なお、一般的な電子カルテシステムでは記事内容は48時間程度で変更不可となるものが多いので、貴院でもそれ以後の追記修正は作業を行った日付の部分に過去の診療記事の日付を指定した上で修正内容を記載するように運用を変更し、運用管理規程に明記すること。

・監査体制の規定がない。監査体制について運用管理規程に規定するとともに、効果的な監査体制の構築を行うこと。

・電子カルテシステムと周辺機器との時間の同期をとること。

・診療録の2号用紙(様式第1号(1)の2)の文字サイズが小さく見読困難な例が認められたので早急に改めること。

・監査体制について運用管理規程に規定されているが、現状に即した規程となっていない。運用管理規程に第三者機関等への依頼先、依頼先での監査担当者等を明記すること。

・健康保険証のコピーが診療録に添付されているが、長期間保存することは、個人情報保護の観点から好ましくないので改めること。

・監査体制について運用管理規程に規定されているが、実際には監査は行われていないとのことであった。運用管理規程通り電子カルテシステムの監査ができる体制とすること。

・電子カルテシステムと周辺機器との時間の同期をとること。

・電子カルテ端末のUSB機器接続部は物理的にブロックし、診療情報は簡単には抽出できない状態となっているが、そのブロックを外せばシステム的に抽出できる状態では、適切に管理されているとは言い難い。また診療情報の抽出は、情報提供依頼書で依頼することにより、抽出を許可する体制となっているが、この依頼書による情報提供の運用について、運用管理規定には規定がなく、運用で行っているものであり、個人情報保護について安全性が担保されておらず不適切である。早急に改めること。なお、情報が漏洩した場合等はシステム上のデ一タからわかるので問題ないとのことであるが、そのチェックは行っておらず、漏洩の有無についての管理はできていない。今後は診療情報が適切に管理されるよう、管理・運用規定を見直すこと。

・臨床研修病院入院診療加算を算定しているが、電子カルテシステムを使用して研修医が検査、投薬点滴等を行う段階において、オーダーは指導医の承認を得て、有効になるように管理しているとの説明であったが、実際には指導医の承認を得なくてもオーダーは有効になっており、診療が終了した段階で、指導医コメントの入力が求められるシステムとなっていた。このような状態は、臨床研修病院の体制としては不十分であり、前回の特定共同指導時の指摘内容に対して、指導医のコメントを入れ、画面上の体裁を整えただけの改善となっており、本質的な改善となっておらず、不適切である。早急に、臨床研修病院としての指導体制を根本から見直すこと。

・疾患別リハビリテーション料を算定しているが、リハビリスタッフとしての実施記録がなく、電子カルテにおける医師の記載内容に当該実施記録が追記された形となっており、リハビリスタッフが実施したかどうか確認が取れない例が多数認められた。実施の確認が取れないリハビリについては、算定できないので改めること。

・電子カルテに「労務不能に関する意見」欄がないので、傷病手当金意見書を交付した場合には、必要事項を記録簿等に記載すること。

 

(関連) H28年度版 個別指導指摘事項「診療録管理体制加算1」

診療録管理体制加算1を算定しているが、次のような不適切な退院時要約の例が認められた。退院時要約は、主治医がその患者の必要にして十分な事柄を自分の言葉でまとめ、他の医師がその要約を見ただけで患者の必要事項が一目瞭然に確認できるようにまとめるものである。今後は、このような観点に立って退院時要約を作成するよう、院内研修等の場で教育を行うこと。なお、退院時要約はリレー競技におけるバトンの役割を果たすものであり、迅速に作成することはもとより、簡潔で分かり易い情報伝達が必要となる。このためにも、作成者自身にとって関心がある部分だけでなく全ての項目について過不足なく記載するようにし、また概ねA4サイズの用紙1枚に収めるようにするなど、簡潔な記載とすること。
①作成者自らの関心がある部分しか記載していないもの。
②医療資源を大量に投入したという評価がなされているリハビリテーション関連の記載が全くないか、有っても記載量が極めて少ないもの。
③画像診断の内容を自分の言葉で要約せず、放射線部門からの画像診断のレポートをそのままコピーして貼り付けているもの。

・診療録管理体制加算1について、電子的な一覧表の中の必要な項目にもれが認められたので改めること。(生年月日、住所、担当医、手術コード等)

・一部の患者について、退院時要約を適切に作成していない。
例:退院時要約の記載内容が実際の診療内容と異なっている。

・今回の個別指導に際して提出された退院時要約は、作成日、中央病歴管理室への提出日が電子カルテ上確認できない様式になっており、見読性が担保されていない。

 

 

 

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H28年度 福岡県「適時調査・個別指導」(自主返還事例)資料
http://wp.me/p6NPV7-2FL
H28年度 佐賀県「適時調査・個別指導」(自主返還事例)資料
http://wp.me/p6NPV7-2G7
H28年度 長崎県「適時調査・個別指導」(自主返還事例)資料
http://wp.me/p6NPV7-2Gj
H28年度 熊本県「適時調査・個別指導」(自主返還事例)資料
http://wp.me/p6NPV7-2Gw
H28年度 大分県「適時調査・個別指導」(自主返還事例)資料
http://wp.me/p6NPV7-2GK
H28年度 宮崎県「適時調査・個別指導」(自主返還事例)資料
http://wp.me/p6NPV7-2GV
H28年度 鹿児島県「適時調査・個別指導」(自主返還事例)資料
http://wp.me/p6NPV7-2H6
H28年度 沖縄県「適時調査・個別指導」(自主返還事例)資料
http://wp.me/p6NPV7-2Hj

 

 

《適時調査・個別指導対策》
http://archives.mag2.com/0001588268/20170814070000001.html

◆(保存版)平成29年度 全国の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表
http://wp.me/p6NPV7-2k4

◆個別指導・適時調査(特定共同指導)最近の傾向」
http://wp.me/p6NPV7-y9
過去に返還金となった施設基準(抜粋)
https://qmir.files.wordpress.com/2017/07/kako_henkankinjirei.pdf

◆「適時調査」件数・金額とも過去最高に!
保険医療機関等の指導・監査等の実施状況
http://archives.mag2.com/0001588268/20170105080000000.html
診療報酬・DPC・施設基準の熟知(1)(2)(3)。
直近の傾向把握(4)や対象になりやすい診療科別の平均点数(5)、事前準備資料(6)等も把握必要。
「H28年度診療報酬改定ポイント解説」
「H28年度DPC/PDPSポイント解説」
「H28年度施設基準等ポイント解説」 (重要!!)
「個別指導適時調査指摘事項(特定共同指導)等の最近の傾向」 (最新情報まとめ!!)
「個別指導適時調査(特定共同指導)対象となる平均点数」
「適時調査事前準備書類一覧(各地方厚生局別まとめ)届出状況チェックリスト」

◆個別指導適時調査指摘事項(特定共同指導)等 まとめH27最新版
http://archives.mag2.com/0001588268/20170404070000002.html

■「保険診療の理解のために」マニュアル(会員用)
(適時調査対策・個別指導対策まとめ)
http://wp.me/P2Xv05-z

DPC個別指導指摘事項 診断群分類の不適切な選択 傷病名の選択が医学的に妥当と思われない事例
http://wp.me/p6NPV7-y9

DPCレセプト審査返戻件数が過去最高
http://wp.me/p6NPV7-1D1

DPCアップコーディング・ダウンコーディング対策
http://wp.me/p6NPV7-1IV

レセプトコンピュータチェック 4カ月連続60%超
http://wp.me/p6NPV7-2A1

高額レセプト最新情報 特別審査委員会取扱状況
http://wp.me/p6NPV7-2A4

 

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