自治体病院が策定している病院改革プランの問題点

現在、全ての自治体病院は総務省「新公立病院改革ガイドライン」に基づいて、2020年度までに黒字達成の経営戦略を立てています。

ガイドラインが求めているのは(1)地域医療構想を踏まえた役割の明確化(2)経営の効率化(3)再編・ネットワーク化(4)経営形態の見直し―という4つの柱。

長年黒字・赤字の病院の計画を見るのはとても参考になり興味深いです。ただ傾向としてどこも同じ内容が多く赤字病院ほど具体性が乏しい。

例えば殆どの自治体病院で「地域包括ケアシステム」が重要との記載があるのですが、その医療と介護の連携、とくに認知症対策をどのようにするか、H28年度改定の「地域包括ケアシステム」関連の診療報酬をどう算定していくのかの記載がありません。

厚労省は在宅患者の急変時の受入れに4つの診療報酬を設定していますが、その算定を狙っていくのかどうか、すでに算定している病院との連携強化(退院支援加算1を算定)から連携パス化等を促進していくのか、医療と介護の連携ですので、介護保険事業計画の「医療」の部分の役割をどのように担っていくのか、などなど民間病院などでは通常、計画を立てている診療報酬獲得のための戦略が記載されていないのです。振り返るとH26改定が医療介護連携元年なんですが、H27年からの介護保険事業計画書に「医療」部分との連携の記載がない自治体が多いんです。H30年の7次でどれだけ動くのか注目。

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◆在宅患者の急変時等の入院体制の診療報酬を届出ているか?
「在宅療養後方支援病院」「地域包括ケア病棟入院料」
http://wp.me/p6NPV7-1Mk

◆医療と介護の連携の点数にどれだけ取り組めているか?
http://wp.me/p6NPV7-1JR

◆病床稼働率は高く、病床単価も全国平均より大きく上回っているのに経営は悪化している。なぜ?
http://wp.me/p6NPV7-1Dl

◆第7位 地域医療介護総合確保基金の都道府県計画等の作成に係る手順
各自治体が策定する「介護保険事業計画」に、医療の部分を明記する活動
http://archives.mag2.com/0001588268/20160331180521000.html

そんな中、先ほど目にした河北新報の記事より。

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<仙台市立病院>経常黒字目標31年度へ先送り | 河北新報オンラインニュース
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201705/20170505_11024.html

>同プランによると、市立病院の経常損益は17年度予算で15億3200万円の赤字。18年度以降は次第に圧縮されるが、20年度も9億8900万円の赤字の見込み。累積欠損金は17年度の78億円から20年度には118億円へ膨らむ見通し。

>経常黒字化の目標年次は、減価償却費の大幅な減少が見込まれる平成43年度

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病院スタッフはどんなに自分が頑張っても今後10年以上も黒字化にはならないというネガティブな心情で働き続けるわけですから辛いでしょうね。

赤字脱出にはやはり収入を上げる。新入院数・病床稼働率を上げて入院基本料を稼ぐしかないでしょう。

↓↓↓

HPより改革プラン2017を拝見しましたが病床利用率の目標はこのようになっています。

https://hospital.city.sendai.jp/info/zaisei.html
H28(見込) ⇒ H32(目標)
月平均新入院患者数 1,085人 ⇒ 1,220人
一般病床利用率 81.0% ⇒ 88.4%

https://hospital.city.sendai.jp/pdf/29yosann_setsumei.pdf
病床利用率
平成 28 年度(見込)78.3
平成 29 年度(予定)78.9

H28を見ると恐らく上が稼働率(81.0)、下が利用率(78.3)なんでしょうか??
ベッド稼働率が低い要因はやはり入院基本料にかかる戦略の見直しが遅れているからでしょう。
全看護体制16単位中、病棟が13単位。そのうち7対1入院基本料の9病棟:381床分。5年後88.4%にするには少なくとも1単位以上は地域包括ケア病棟など違う病棟に変えないといけないでしょう。総合3は諦めベッド稼働のほうをとれば今年度中にも90%は確保できます。入院収入とヒトの配置のミスマッチを是正する活動、これを徹底する。あとは経営判断・決断のみ。H28九州医事研究会勉強会より;(収集→決断プロセスの理解)

関連して病院経営にとって管理すべき指標がいくつかありますが、もっとも重要なものは「新入院数」。救急体制充実で救急車搬送が増えるとか、新たな専門医が確保され確実に患者が増えるとかの事情がない限り、上記に貼った厚労省の在宅患者の急変時受け容れの入院基本料区分を算定しないと新入院獲得はかなり難しい。すでにこれまで10年近くDPC病院同士の患者増減は行われました。地域医療支援病院だから現状のままで紹介は増えるだろうなどは通用しない。新たな制度には新たな体制で。

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(関連)

◆2017年05月01日仙台市公立病院改革プラン2017を掲載しました。
https://hospital.city.sendai.jp/info/zaisei.html
病院事業会計予算説明資料
https://hospital.city.sendai.jp/pdf/29yosann_setsumei.pdf
>2025年に向け,住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築

仙台市公立病院改革プラン2017
http://www.city.sendai.jp/iryosesaku/kurashi/kenkotofukushi/kenkoiryo/kaikakuplan.html
仙台市公立病院改革プラン2017[概要版]
http://www.city.sendai.jp/iryosesaku/kurashi/kenkotofukushi/kenkoiryo/documents/kaikakuplan_gaiyou.pdf
仙台市公立病院改革プラン2017 [本編]
http://www.city.sendai.jp/iryosesaku/kurashi/kenkotofukushi/kenkoiryo/documents/kaikakuplan_honpen.pdf

sendai_shinnyuin

shushikeikaku

◆仙台市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(平成27年度~平成29年度)
http://www.city.sendai.jp/korekikaku-kikaku/kurashi/kenkotofukushi/korenokata/fukushi/kekaku/hokenfukushi.html

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総務省|地方公営企業等|公立病院改革
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html
地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chiikiiryou_kakuho/index.html

 

 

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自治体病院が策定している病院改革プランの問題点

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